訪問看護は病気や障害を持ちながら在宅療養する人を対象に、
看護師が単身で訪ねてケアや処置を提供するものです。
生活のお手伝いをするのがヘルパーさんなら、
専門的な医療の分野を担当するのが訪問看護師というところでしょうか。
内容としては病状や障害、全身状態の観察を始め、点滴治療、褥創の処置、
保清、排便コントロール、服薬管理などが挙げられます。
もちろん他にもありますが、どれも臨床の経験があれば
手技や知識はおおむね問題ない内容となっています。
ただし最近では人工呼吸器や在宅酸素療法、胃瘻などの患者さんも
在宅が増えていますから、これらは管理だけでなく
ご家族も訪問看護の対象者として指導が必要になります。
最初は経験がなく知識に自信がない項目もあるかもしれませんが、
訪問看護の強みは事前に勉強や仲間との相談が出来るという点です。
訪問看護は医師による「訪問看護指示書」のもとで行うため
事前にケアや処置の内容が分かり準備ができるからです。
ひとりの利用者を通して予習復習をしながらじっくり看護できるというのは、
病棟や外来業務などと大きく違うところですよね。
1日の流れは、訪問看護ステーションへ出勤、ミーティングと申し送り、
午前中に2件訪問、お昼を挟んで午後に2件を訪問、
夕方にステーションへ戻り記録と報告というのが一般的なようです。
訪問看護は、訪問時間という形で時間が区切られているのが特徴です
そのため、実は病院などに比べ勤務時間の融通が効きやすい職場とされています。
時間区分としては1件が30〜1時間未満ですから、
例えば2時間勤務でも数件のお宅を回ることが可能です。
現にパートとして週に数日、1日2時間という条件での採用も少なくないです。
また最近ではステーションでのミーティングや報告を省き
メールでやり取りするところも増えていますし、
翌日の準備をして帰宅すれば、自家用車で直行または直帰が可能というケースもあるようです。
さらに訪問看護の魅力としては残業が少ないこともあります。
1件ごとに訪問看護の記録を残すため、ステーションへ戻ってするのは報告や連絡などで
延長して行う残務がほとんどありません。
これも訪問という形で1件ずつこなす訪問看護ならではかもしれませんね。